siiです。
乳がん患者さんの多くが、ホルモン陽性という診断を受けます。これは、乳がん細胞が女性ホルモン(エストロゲンかプロゲステロン)を、いわばエサとする、ホルモン受容体を持っていることが多いからです。
そうすると、そういったタイプ(サブタイプと言います)の乳がんの拡大・転移・再発を予防するためには、女性ホルモン(エストロゲンかプロゲステロン)を抑える必要が出て来ます。
しかし、抗ホルモン剤(タモキシフェン=ノルバデックス,ゾラデックス=LH-RHアゴニスト)は、いわば更年期障害に似た症状を引き起こし、女性患者さんに大きな苦痛を与えることが少なくありません。
では、女性ホルモン(エストロゲンかプロゲステロン)を抑えるには、どうしたらよいか。
しばらくエストロゲンに的を絞って考えたいと思います。
ピルってどうよ?
出典:健康プラザ+
仮に、抗ホルモン剤(タモキシフェン=ノルバデックス,ゾラデックス=LH-RHアゴニスト)を止めたなら・・・やはり、なにかしらの形で、乳がんの拡大・再発・転移が気になります。
例えば最近の記事で、毎年検査していたのに6年後にガン(それが何ガンかはおっしゃっていなかったですが)が再発した・・・というがんサバイバー系YouTuberのかたを取り上げさせて頂きました。
一番エストロゲンの賛成を抑える最強の薬は、ゾラデックス=LH-RHアゴニストです。しかし、これは、ぶっとい注射として有名。
なにか代替はないか・・・
私が最初に思いついたのは、子宮内膜症で処方されるジエノゲスト(ディナゲスト)でした。
そこで、”確かジエノゲスト(ディナゲスト)ってピルと対比されるよなあ・・・”と思い、今回ピルについて書くにいたった次第です。
ピルの作用機序は上掲画像の通りで、言葉で表すと以下のようにまとめられます。
① ピルは飲んだ時、脳下垂体に作用し、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)の分泌を減少させ、卵胞を育たなくさせる。これにより排卵が抑制される。この文章
② 実を言うと、エストロゲンは卵胞(卵巣内の上皮細胞内、袋状に複数の卵子を包んでいる組織)から分泌されている。この図とこの文章
③ ピルは、この卵胞の生長を抑止することを通じて、エストロゲンの分泌を抑制する。
・・・じゃあ、ピルが解決策になるのでしょうか?
血栓症
確かにピルは子宮内膜症程度だったら、処方されていたようです。
では、なぜ乳がんでピルは処方されないのか?
そう問う前に、ピルに取って代わってジエノゲスト(ディナゲスト)が登場した事情をみてみましょう。
端的に言って、ピルは血栓症を引き起こしてしまうから、ジエノゲスト(ディナゲスト)が登場したそうです。
【はるこレディースクリニック】ここ
あ・・あれ?ピルってエストロゲン入りじゃん
ここで更に別の疑問が生じました。
ピル自体、少量のエストロゲンと少量のプロゲステロンからできているのです!
先ほど述べたものうち・・・
卵胞(刺激)ホルモン(FSH)=エストロゲン この箇所
黄体化ホルモン(LH)=プロゲステロン この箇所
答えはこうでした↓
ピルを内服すると、ピルにはエストロゲンとプロゲスチンの両方ともが、低用量含まれていますので、脳は『体は黄体期[=排卵後の状態:ここ]と同じような状態になっている、、、??』と勘違いしてしまいます。
通常は脳からの命令があり、卵子は発育しますが、ピルを内服することで、脳は『体内にホルモンがちゃんとでている状態なので、自分はホルモンを放出して命令する必要はないんだ、、、??』と捉えます。
脳は『体にホルモンがあるので、卵巣に命令しなくていいんだ♪』と安心してしまい、卵巣に命令することをやめてしまうので(=ネガティブフィードバック)、卵胞刺激ホルモンは放出されません。
つまり卵子が発育しませんので排卵も起こりません。
【はるこレディースクリニック】ここ
乳がんには絶対ダメ(量はどうあれエストロゲンを供給することになるから)
以上の通り、右往左往して行き着いた結論は以下の通りです。
① 確かにピルはエストロゲンを抑制する(上掲ここ)。
② しかしピル自体がエストロゲンなので(上掲ここ)、結局、エストロゲンを体内に取り入れたくない、という理由により、乳がん予防のためにピルを飲むのはダメ!
・・・・・
今回はここまでになります。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


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